2015年1月18日日曜日

なぜ吃音者は当事者同士で対立するのか?治さないで受け入れる vs 吃音治療克服

なぜ吃音者は当事者同士で対立するのか?シリーズ 第3回です。
前回こちらの記事を書いた。
なぜ吃音者は当事者同士で対立するのか?協力できないのか?
http://stutteringperson.blogspot.jp/2014/10/blog-post_33.html




筆者の結論を先に書く。
まず、吃音者は吃音の程度に関係なくその人が望む支援や配慮を選ぶことができるようにすべきである。360度全ての方向へ選択肢がある社会にしなければならない。ただ、これだけである。吃音当事者や親御さんがその成長の時期に合わせて自分に必要だと思ったメニューを選べればそれでいいのである。
・吃音を克服したい、治したいと思う人には発話発声の訓練を病院が提供する
・吃音があっても堂々と吃って生活する。私は吃音者だとアピールしまくる
・吃音がすごく辛いし社会的障壁がある。障害者福祉が必要だ。

これを吃音者が自由に選択できればいいのである。

吃音者宣言360 仮1
http://stutteringperson.blogspot.jp/2014/08/360.html




■現在、筆者の考えるところの吃音者の派閥はこの3つだろうと思う。
1.「できることなら吃音を治したい」
2.「吃音のままで堂々と吃りまくり生活をしろ」
3.「吃音も公的な社会福祉があってもいいのではないか?」

1と2については、一応生活ができている人が多いだろう。
1なら吃音を自分なりに編み出した手法でなんとか隠しながら生活してるかもしれない。
2なら堂々と吃りまくって、私は吃音者です。と生活しているだろう。

3は吃音の社会的障壁に何度も何度も直面し、吃音以外に二次障害も発症して、育ってきた環境やいじめを受けることにより学校で勉強する機会を奪われ、勉強も満足にできないまま大人になりニートやひきこもりになっているかもしれない。

さて、1と2に共通することがある。なんだと思うか?
それは「吃音者は病気や障害じゃない、そんな風に扱われるのは心外だ」という思想である。
なぜかというと病気や障害であると啓発啓蒙、理解をすすめることをされて世間に「君って吃音なんでしょ?病院行きなよ。障害者手帳取れるんじゃない?」なんて言われることは絶対に避けたいのである。

また、今回の記事では書かないが、発達障害者が取得する障害者手帳は精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)のために、資格や免許が限定的な制限がかかることがある。これを吃音が発達障害で精神障害であると啓発啓蒙、理解が進むと資格取得が困難になること、剥奪されるのではないかと危惧しているのである。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n242/n242_01-01.html


このように吃音者というのはどうしても当事者同士での対立があるというのは第2回に書いた通りである。

■吃音当事者同士の対立の問題点
まず、本当にこの吃音者の主義思想の対立で問題なのは。
自分の信じるその主義思想が「教典」になっていることである。
教典であるが故にその考えを変更することや他の人は大丈夫だろうか?と考える事ができないのである。教典であるが故にその主義思想を守ることに固執し、他の吃音者へ「私達のやり方が一番良い!」と考えを押し付けることになってしまうのである。


■吃音当事者同士の対立・派閥抗争の結果 2005年の発達障害者支援法が見落とされた。
http://stutteringperson.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

吃音(きつおん・どもり)が発達障害であると、発達障害者支援法に定義されていることが大々的に判明したのは2014年の7月である。2005年の発達障害者支援法と17文科初第16号 厚生労働省発障第0401008号を見落とされた。

本来はこれが周知徹底されていれば、吃音者が自殺することも避けることはできたはずです。
未成年者であれば、吃音があっても学校で合理的配慮を希望するなら受けることができたのです。他の俗にいう発達障害者(ASD,ADHD、LD)のお子さんと同じ配慮を学校にて受けることができたのです。「ことばときこえの教室」も希望があれば大学生まで通うことできたのです。行政は大学生まで通えることばときこえの教室を全都道府県に設置しなければいけません。他の発達障害のお子さんの親御さんと会話して『あなた方には福祉がないの?? あら大変ね!』 とはもう言わせません。親御さんは発達障害者支援法という法的根拠を使ってどんどん使える手段を使いましょう。

成人していて社会的障壁があるならば堂々と法的根拠に基づき障害者手帳の申請をしましょう。
自治体職員や発達障害者支援センターの職員、ハローワークの職員、病院医師が『吃音は障害者じゃない!!』と言ったら
印刷して持ち込みましょう。説明しましょう。その際はボイスレコーダーにより録音を必ずしてください。なぜこんな理不尽なことが起きているのか録音して日本全国にしらしめるのです。それでもダメなら議会を巻き込みましょう。議会で質問してくださいと訴えましょう。
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/


■吃音当事者やそのお父さんお母さんはどう向き合うか?ことばときこえの教室の先生も小学校でどうやって児童を接すればいいかわからないだろう。

今の2015年の現状、吃音情勢の現実をみてどう思うだろうか?
2005年から法律はあるのに、法治国家日本国であるのに、それを行使できないという現実。
この状況を打破するには当事者と親御さんパワーが必要である。
法的根拠をもとにして立ち上がるしかない。
いま、ここで2015年現在からこの最悪な状況を変化させていかないと、次に生まれてくる吃音になるお子さんと親御さんに自分たちがした嫌な辛い経験をさせてしまうことになる。しかしそれは法的根拠を上手く使えば避けることはできるし、人生諦めて自殺だ!!ということにはならないはずなのである。

1 件のコメント: