2016年4月26日火曜日

【解説】ラヴソング第三話を吃音当事者が解説

第二話の解説はコチラ
【解説】ラヴソング第ニ話を吃音当事者が解説
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/04/blog-post_12.html


ラヴソング #3 感動のライブステージへ!あなたを想って歌います


1.3週間後にキミはここで歌う シーン
神代はさくらを安心させる意味も含んで、ライブハウスにさくらを連れて来ているようです。
ここでは広島カープのお話がでてきます。
第二話でもLINEと思われるメッセンジャーでさくらが真美にこんなスタンプを送信していました。
https://store.line.me/stickershop/product/1169177/ja

さくらの親御さんの話ができますね。
ここで神代はさくらの両親がいないことを知ることになります。
母親はガンで亡くなる。
父親はそもそも知らない…。ということが判明します。

暗い話題の後に咄嗟に?さくらは神代に「好きな人、彼女はいるの?結婚しているの?」と質問しています。さくらが一生懸命、自分の本当の気持ちを出しているシーンだと思います。

なんとなく、さくらからの質問を躱す神代ですね。
神代はおそらく患者からの電話に応対していますが。病院や職場以外でこうやって電話に応じてくれる臨床心理士はスゴイと思います。

2.新宿駅周辺で指輪選びをしている真美と野村がさくらと神代を発見するシーン
真美と野村の2人が幸せそうなシーンです。
真美も元気に復活していてよかったです。

2人は指輪選びをしているときに偶然、さくらと神代を見つけてしまいます。
真美は「だれ?あのオッサン!あの人がうわさの??」と神代を初めて見ることになります。
さくらが神代の後ろをニコニコしながら付いて来ているところが印象的なシーンでした。

3.さくら、真美の家に空一が遊びにきているシーン
真美はさくらに足の裏マッサージをしてもらっています。
真美はさくらのお姉さん的な、お母さん的な立場でさくらと神代の関係を突っつきます。
いろいろ教えてくれる神代のことを真美は「なんかエロいー」とイジります。

それを聞いている空一はジェンガを倒してしまうなど、大きく動揺していますね。
空一がさくらを異性として意識しているのはなんとなくわかりますね。

さくらが歌を歌うことを知った真美は、とても喜んでいますね。
真美が結婚して、同じ家に住めなくなるかもしれないこと、さくらもさくら自身なんとかしなきゃと思っている気持ちを真美はとても喜んでいるように思います。

4.夏希の家に帰宅した神代 転移と逆転移について指摘されるシーン
神代がお手洗いで立って済ますのか?
座って済ますのか?という問題は置いておいて。

夏希はさくらとの距離感に気をつけないとそれとなく注意します。
「陽性転移」に気をつけないといいます。

陽性転移というのは患者側が医療従事者側に好意や恋愛感情などを持つことです。
転移というのは患者側が医療従事者側に特別な感情を持つことです。
逆転移とは医療従事者側が患者に特別な感情を持つことです。

今回、フジテレビでラヴソングの放送が始まってから、医療従事者と患者の恋愛を描くドラマはNGなのではないかという声が出てきています。ブログ主もこの点かなり心配しています。


5.夏希のスピーチクリニックで神代との恋愛感情について指摘されるシーン
神代とさくらがライブの練習をしているシーンが短く紹介されていきます。
セリフはないですが、さくらがとても幸せそうです。ノリノリで仕事をこなしているのも見ている視聴者までニコニコしそうです。このシーンのあとにさくらが夏希のクリニックに訪れることになります。

このシーンでも背景のホワイトボードに「オペラント学習」、夏希の持っている書籍が「スピーチリハビリテーション」という実際の書籍が登場していますね。フジテレビのドラマ製作スタッフはとても丁寧な取材をしているのだなと感じます。

夏希は自分の恋愛話から、さくらの恋愛事情に話を切り込んでいく所が自然で凄いなと思います。医療従事者の人は本当にここらへんが腕の見せ所ですよね。

夏希は「そういう優しさを恋愛と勘違いしていまう。医学用語で陽性転移とか恋愛転移っていうんだけど」とさくらに説明します。もしも神代にそういう感情があっても、いつか自然に消えていくものだからといいます。

そう言われてしまったさくらはとても動揺していますね。吃音を少しでも良い方向にするため、スピーチ練習をすることを忘れて帰宅しようとしてしまいます。さくらは神代に恋愛感情はあるようですね。

6.神代と志津子のシーン
病院のシーンです。
このシーンは、本編と関係ないように思いますが。何らかの伏線として回収されそうです。
神代が普段色々な仕事をしていますよー的な説明シーンもあるかもしれませんが、深いメッセージはあると思います。志津子が「自分の人生にしっかりとケジメをつけたいの」というセリフは神代にグサリと刺さっているのではないでしょうか?


7.さくらが自宅で音楽の勉強やインターネットで調べ物をしながらうたた寝しているシーン
さくらは自宅で音楽の勉強と「転移」について調べていたようです。仕事を終えて帰宅した真美が机でうたた寝しているさくらのパソコンをチラッと見てしまいます。

さくらも、神代に対する恋愛感情が気になっているようです。真美もそんな情報を調べているさくらが心配のように見えます。

8.さくらのギター選び
ひとつ前のシーンと違い、明るい描写のシーンです。
さくらと神代の歌の練習。
さくらが使うギターのメンテナンス?新しく購入するのでしょうか?
さくらはギターの演奏方法を練習しています。

さくらは「ミカサツカサ」という住所をここで記憶しているのでしょうか?
後々のお話でミカサツカサは登場するのかも???

9.ライブハウスSで笹と神代とさくらのシーン
ここでは何を考えどう歌うのか?とライブの心構え的な説明があります。
笹は本当に聞いて欲しい相手のことを思い浮かべながら歌えばいいんだよとアドバイスします。
神代は空一のことを持ち出します…。
さくらは感情が揺れ動いているように見えます。

10.さくらの自宅で空一と
空一はいつもいつも「臨床なんたら」といいますね。
空一も空一なりにさくらのことをとても心配していることはわかります。
ギターは結局、新品を購入したようです。
結局売り言葉買い言葉で空一とさくらは喧嘩してしまいますね。

このシーンで重要なところは、さくらが言うように
「歌うときはどもらないから!!」

そうこれです。

吃音者は歌唱するときはどもらないんです。(そうでない人もいるかもしれませんが…)
まだ原因やそのメカニズムが不明な吃音ですが。脳神経の「発話しなさいという命令回路」
と「歌を歌いなさいという命令回路」が別々なのかもしれませんね。


非吃音者(健常者)のかたは不思議に思うかもしれませんが。発話と歌唱にはこのような違いがあるとだけ知っておいてもらえれば嬉しいです。くれぐれも、歌は歌えるのに話せない人だ!と評価しないでほしいです。

11.空一が綺麗なお姉さんとお食事
調理専門学校の職員渡辺と空一が食事をしているシーンです。
渡辺は若い男子が好きな綺麗なお姉さん的役割のようです。
ドラマでは、綺麗なお姉さん的な役だけで終わるのか?もっと他の重要なキーパーソンなのか?どうなるでしょうか。

12.さくらがスピーチクリニックにくるシーン 偶然、神代のミカサツカサと夏希のミカサツカサがつながる

夏希の住所がミカサツカサ、神代の住所もミカサツカサ。
ってことはこの2人は同棲しているの?実は交際しているの?ってさくらの中でグルグル思考が始まるシーンです。

これが原因で、歌の練習に身が入らないさくらでした。
ずっとグルグル思考をしているのでしょうね。神代と夏希が交際している?
それで夏希が以前、クギを刺してきたのか?
神代は本当に仕事だから、私に優しいのか?
グルグルグルグルグルグルしています。

13.ライブハウスのシーン
ライブハウスのカウンター席で盛り上がる、神代や以前からの親友たちに話しかけられないさくらがとても印象に残ります。

本当にこのドラマ、ラヴソングで、もう一つ頑張ってほしかったのは、副音声でのさくらの心の声放送です。さくらは一生懸命に神代や夏希や仲間たちの輪に入ろうと必死になっています。頭の中、心の中では言いたいこと発話したいことは全部わかっているんです。でもそれを発話できないのが吃音障害なのです。フジテレビには、今からでもいいので、吃音者の心の声を副音声で放送してほしいと思います。

14.緊張しているのか 人酔いしたのか さくらは煙草を吸うために外にでてしまいます
一瞬、さくらと一緒に神代も煙草に火をつけるのかな?と思いましたが…。
ここで、さくらが結婚して苗字が変化すると言いやすくなる描写がされます。
これも吃音者あるあるです。とくに女性吃音者は結婚して苗字が変われば、この人生から辛い人生から解放されるのではないかと思う人もいるのです。

また、ここで、さくらは神代に優しいですねと質問します。陽性転移しちゃいますよとまで探りをいれています……。

さくらは「先生のことを思って歌ってもいいですか?」と質問します。
神代は「今夜はキミだけを思ってギターを弾く」といいます。
神代の中でも何か、変化があったようです。
「次に進むため」とはどんな意味でしょうか?

16.無事に歌い終わって自己紹介をするシーン
さて、吃音者の絶体絶命デンジャラスゾーンです。
歌を歌っているときよりも、重圧です。
さくらの手の動き、顔の表情、口の動き、本当に吃音者を観察して演技をしているのだなと感じます。ニュース報道によると全国言友会連絡協議会の監修と、吃音演技指導の川端鈴笑さんという人がさくらに演技指導をしているようです。だからとてもリアルなんですね。

うまく発話できない、さくらに配慮して神代がメロディを奏でます。これにのせてさくらが自己紹介をします。

落ち着いて がんばれー もういいから歌えよ 
と会場から声援?がありますが、こういうのも吃音者にはプレッシャーになります。


17.もう一曲歌いたいと言ったさくら とそれができない神代
ここはどんな描写なのでしょうか?
神代の古い友人が「春乃といるときみたいだな」といいます。
多分これでしょう。
第二話でもエンディングの前に、神代の記憶がフラッシュバックしています。

さくらがもう一曲歌いたいと神代に伝えた時に、神代のなかでまた、古い記憶がフラッシュバックしたのでしょうか?

さくらはそんな過去があったことを知らないので、神代から拒絶された、本当に患者扱いなんだとショックを受けたかもしれません。


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