2016年8月20日土曜日

吃音の子どもにも注意 発達性協調運動障害 吃音以外の発達障害の可能性があります

NHK福祉ポータル ハートネットより紹介


吃音の子どもの中にもASD(自閉症スペクトラム)やADHD、LDの子どもがいるでしょう。
または吃音だけだと思い込んでいたところ、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD、LDの併存??
という子どもの特性に驚かされることもあります。

吃音よりも先に、一般に言われる発達障害の診断を受けた子どもと保護者のほうが障害受容をできる時期が早いので今後人生の選択肢は大きくひろがりますね。

※吃音の障害者認定反対派の保護者の皆さまはそのまま放っておいてください。
そういう生き方もアリです。もちろん成人してから当事者に困りごとが増えてもそれも人生です。





◆さて、発達性協調運動障害です。
吃音者の中にも体の動きが不器用な人がいます。
箸の使い方、ハサミ、ノリ、折り紙、お手玉、靴の紐、コップの中身をよくこぼすなどの日常生活でもわかることがあります。
成長していっても、自分の身体の範囲が認識できないため、足の小指をぶつける、他人とすれ違うときに身体がぶつかる。ドアやモノに身体がぶつかるということもあります。消しゴムがうまく使えず書類がグシャっとなる人もいます。仕事のデスクでも飲み物をこぼす場合もあります。

他にも、配布書類や紙幣を銀行員さんがやるように、スムーズに扇状に広げることができないなどもあります。

ハサミをつかってまっすぐに紙を切断できない。紙を半分に折れない、どうしても曲がってしまう。ということも大人になってもあります。


イメージでいうと、自動車で運転するときに、自動車のバンパーの位置がわからなくて自動車をぶつけてしまうだとか、自動車のバンパーの位置ではなく、4輪のタイヤが現在どこにあるのか? 把握できないというようにイメージすると少し理解できるかもしれません。


吃音の子どもにもあてはまることがあるのではないでしょうか?
もしも、あてはまることがあれば、吃音だけではなく、自閉症スペクトラムや注意欠如多動性障害や学習障害の傾向があるのかどうかの把握も必要です。
早期発見、早期療育ができれば子どもは大きく成長する可能性もあります。

吃音の子どもに他の発達障害があるのでは?
と心配な場合は、まず、図書館で発達障害の説明のある書籍を探してみましょう。

ミネルヴァ書房の「なにがちがうのシリーズ」は絵で説明されておりわかりやすいです。
http://www.minervashobo.co.jp/search/?search_menu=keyword&search_word=%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%81%8C%E3%81%A1%E3%81%8C%E3%81%86%E3%81%AE&x=0&y=0




◆NHKハートネット 記事

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/250832.html

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/250838.html

2016年08月18日(木)
発達性協調運動障害 第1回 不器用な子どもは発達障害の可能性が
投稿者:web担当カテゴリ:Connect-“多様性”の現場からコメント(0)
20160816_000.jpg第1回 不器用な子どもは発達障害の可能性が
▼  専門家の間でも知られていない障害
▼  「協調」とは複数の情報や動きのコーディネート
▼  大人になっても残存する障害
Webライターの木下です。
以前、発達性協調運動障害についてフェイスブックで取り上げたところ反響が大きく、「子どもの頃に体育の授業がなぜあんなに辛かったのかがやっとわかった」という書き込みをされた方がおられました。発達障害に関する情報は、さまざまな形で発信されていますが、まだ一般的にはあまり知られていない事実もあります。発達障害のある子どもたちの支援に重要な影響を与えると言われる最新トレンドについてお伝えします。

専門家の間でも知られていない障害
人並み外れて不器用な子ども、極端に運動の苦手な子どもが小学校のクラスに数人はいます。例えば、「服のボタンを留められない」「靴ひもがうまく結べない」「ラジオ体操やダンスで手足がばらばらに動く」「はさみやコンパスなどが上手く使えない」「つまずくものがないのに、よく転ぶ」などなど。たんに体育の授業がうまくいかないだけではなく、日常生活もトラブル続きで、先生に叱られたり、友達からいじめられたりして、本人は辛い思いをしています。

これまでは、過保護な育て方や運動不足、練習不足が原因だと思われたり、理由がわからないまま対応に苦慮していましたが、実は、このような子どもたちは、発達障害のひとつである「発達性協調運動障害(DCD =Developmental Coordination Disorder)」である可能性が知られるようになりました。これまでも発達障害のある子どもに不器用さが見られることは認識されていましたが、そのような症例が単独にも存在し、発達障害の子どもたちを理解し、支援していく上で重要であることが、近年専門家により指摘されています。
発達性協調運動障害(DCD)の重要なキーワードである「協調」とは、どのような脳の機能なのでしょうか。これは英語では、Coordinationと言います。洋服を「コーディネートする」という外来語がありますが、そのコーディネート(coordinate)の名詞形です。
例えば、スーツもシャツも新調した。ネクタイもベルトも靴下も一流品を買った。ひとつひとつの商品に問題はない。ところが、試しに揃えて着てみると、色が合わない、趣味がチグハグで着られなかったとします。そのときはコーディネートがなっていないことになります。その比喩から類推する通り、DCDとは個々の身体機能に問題がないにもかかわらず、脳が運動をコーディネートできない障害と考えられます。
体操や球技のような複雑な運動で問題になるだけではなく、定型発達の子どもならば誰でも難なくこなせるような、「階段の上り下り」「床にボールを弾ませる」「片足でバランスを取る」といった簡単な運動においても、その不器用さは現れます。親や教師は、わざとふざけているのではないかと思うぐらいに、理解できない動きをすると言います。
DCDの子どもは、「ミルクを飲むときにむせやすい」「寝返りがうまくできない」「ハイハイがぎこちない」「滑舌が悪い」など、乳幼児のうちからその徴候は現れてきます。
DCDの頻度は6~10%と高く、小学校の30人学級ならクラスに2、3人はいる計算になります。注意欠如・多動性障害(AD/HD)の約30~50%、限局性学習障害(LD)の子どもの約50%に見られ、自閉症スペクトラム障害(ASD)と併存することも多くあります。そして、この障害は大人になっても、50~70%と高い頻度で残存するとされています。
20160816_002.jpgのサムネイル画像発達障害は、「場の空気が読めない」「自分のこだわりに固執する」「コミュニケーションが苦手」など、社会性の障害として認知されることが多いために、これまで本人の困りごとである知覚や運動のレベルの問題があまり意識されてきませんでした。しかし、協調運動に着目することで、当事者にとって何が問題なのかが明らかになり、発達障害の理解や支援のあり方も変わろうとしています。





2016年08月19日(金)
発達性協調運動障害 第2回 身体から発達障害を解明する
投稿者:web担当カテゴリ:Connect-“多様性”の現場からコメント(0)

▼  法律で「その他」の障害と表現されるDCD
▼  発達障害のわかりにくさ
前回のブログ :第1回 不器用な子どもは発達障害の可能性が

法律で「その他」の障害と表現されるDCD
Webライターの木下です。
2005年に施行された発達障害者支援法では、発達障害を以下のように定義しています。

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その障害が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」

この法律の条文には「発達性協調運動障害(DCD)」という言葉はありません。しかし、「その他これに類する脳機能の障害」という表現があり、「政令」には、「言語の障害、協調運動の障害、その他厚生労働省令で定める障害」という記載があります。発達性協調運動障害も発達障害の一種として、法的に支援対象として位置づけられていることがわかります。
しかし、そうであっても、法律の定義には「その他」と書かれているだけなので、発達障害に関する一般向けの解説書の多くでは、「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如・多動性障害」「限局性学習障害」の3つを発達障害として紹介しています。

「自閉症スペクトラム障害(ASD)」:「社会コミュニケーションの障害」「対人的な想像力の欠如」「特定のものや動作へのこだわり」などの特徴があります。知的な障害や言葉の遅れをともなう場合とともなわない場合があります。
「注意欠如・多動性障害(AD/HD)」:「不注意」「衝動性」「多動」などの自己抑制の障害です。自己抑制がうまくできない背景には、脳の実行機能(課題や活動を遂行するために、計画したり、目的を意識したりする脳の働き)や報酬系が十分に働いていないことがあると考えられています。
「限局性学習障害(LD)」:「読む」「書く」「計算する」の3つの学習に関して、その習得に著しい困難があり、努力してもなかなか成果が上がらないという特性をもっています。LDの中核を成しているのは、「読む」ことへの困難がある障害(読字障害=ディスレクシア)だと考えられています。 
※2013年5月に精神医学の診断基準が改定され、発達障害の基準や枠組み、呼称にも変更が加えられました。従来の「自閉性障害、アスペルガー症候群」などの広汎性発達障害が「自閉症スペクトラム障害」として一本化され、「注意欠陥多動性障害」は「注意欠如・多動性障害」に、「学習障害」は「限局性学習障害」へと用語が変更されました。現在は過渡期で新旧両方の記述が使われています。
発達障害は親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害であることはわかってきていますが、「気になる子ども」と表現されるように「社会的な不適応」から診断を受けることが多いために、対人関係に直接支障が生じるわけではない不器用さは、発達障害の主要な課題とみなされてきませんでした。専門家の間でさえ、まだ十分に認識されていないのが現状です。

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