2016年5月31日火曜日

【解説】ラヴソング第八話を吃音当事者が解説

ラヴソング【君とキスをした夜…今夜、第3章スタート!】 #08

第七話の解説はコチラ
【解説】ラヴソング第七話を吃音当事者が解説
http://stutteringperson.blogspot.jp/2016/05/blog-post_23.html


1.前回のあらすじ 病院で増村から
春乃の歌なんだよと言われること。
さくらが先生のことが好きだと伝えること。
精密検査をしましょうと言われること。
神代にはこのこと伝えてある?と増村はいいますが。さくらは首を横に振ります。

一方神代は弦巻とトップレコードでシェリル新曲の打ち合わせ。
打ち合わせでは「愛の中」と神代の過去のヒット曲を言われますが
本当は「恋の中」という間違いです。真剣ではないことが伝わる神代は心配になります。
弦巻に「佐野さくらの契約の話、忘れていないよな」と確認します。


2.病院から帰ってきたさくら
空一と真美は最近さくらの様子が変だよねと話しています。

しばらくするとさくらも帰宅します。
なにか重大なことがあったのか。明るく振舞っているようにも感じます。
その後いつもは言わないようなことを言いつつ真美に懐くさくら。
カレーを食べたいって。

真美はいつもの通り「心のなかで何かを察している」と思います。


3.悪性の腫瘍が喉にできている 最悪、声帯をとるかもしれない
増村が神代にさくらに悪性の腫瘍が出来ている可能性を伝える。
増村は検査結果がでて伝えるときに神代にさくらの側に居てほしいと伝える。
神代は、それを断る。
それでも増村は火曜日に来い!と強く伝えるが―。

増村は「人間が怖いのか」と話しかけます。
「人の人生に踏み込んだり、踏み込まれたりするのはそりゃ怖いよ」と返事をします。
笹がその様子を見ています。

翌日?病院で湯浅志津子と神代の会話で、神代は心の中を覗かれます。

4.引っ越しの前日でしょうか 約束通り真美のカレーライス!
さくらの手には結婚式の招待状が握られています。
そこには「追伸 誠に恐れ入りますが 当日ご祝詞を頂戴いたしたく予定させて(略)」
結婚式のスピーチをお願いしますと書かれた紙も入っていました。

元気のないさくらに今がチャンス!!と空一にいろいろ吹き込む野村。
空一に「野村さん逆にお金積んだだけじゃないですか」とツッコミを入れています。

真美はさくらと2人で話し合う。
スピーチをよろしくねとさくらに伝える真美。
カレーライスが美味しそうです。

5.実はすでに増村から事の次第を聞いている神代は
神代は検査結果の日を知っているため、さくらを複雑な目で遠くから見ています。
さくらも少し落ち着きがないようです。
仕事に集中できていないようです。


6.悪性の腫瘍の告知
増村は検査結果、悪性の腫瘍の可能性があり、切除しなければいけないし、最悪の場合、声を失うといいます。ただ、切開してみないとなんともいえないとも。

さくらはてっきり歌が歌えないことを嘆くかと思いきや。
真美の結婚式のスピーチのために手術はしたくないといいます。
増村はそこまで時間は待てない。はやくしないと転移の可能性もあるよと、命にも関わるよと伝えます。

【重要事項】
吃音があると悪性腫瘍ができるということではありません。吃音は関係ありません。


7.ちゃんと病院の待合室に来ている神代
神代は悩んだのでしょうか。他人の人生に踏み込んだり踏み込まれたり……。
結局、病院まで来ています。
さくらは最初は病気をごまかします。
しかし神代はそれはすでに知っているといいます。

「なんでもするから」と神代はいいますが。
さくらは「私のこと好きになってくれるの?できないなら放っておいて。先生にしてほしいことなんて何も無いんで」といいます。
これがさくらの本音なんでしょうね。本当にさくらは神代に恋愛感情があるようです。
神代はゴメンとしかいえません。


8.病院から帰宅すると、空一が美味いもの食わしてやるよと待っている
さくらは辛い気持ち、ショックな感情を抱えて自宅に戻ります。
おそらく、1人で号泣しようとしていたのかもしれません。
しかし、空一がすでにあがりこんでいました。
美味しいものを食べてほしいという理由です。

一方で神代は笹の店でお酒を飲んでいます。
笹は「人間らしくなったな」と神代に話しかけますが…。
笹は笹で神代の成長を見守っているようにみえます。


9.手術をしたくないと空一に泣きつくさくら
まだ、悪性の腫瘍の疑いの段階ですが…。
歌も歌えない、スピーチもできない。
さくらは不安で押しつぶされそうです。

10.空一はさくらを海に誘います
翌朝。空一とさくらはそのままテーブルで寝てしまったようです。
起きたさくらは「手術はしたくない。もしも歌えないなら私は生きている意味がない」とまで言います。声がでなくなれば真美のスピーチもできなくなると不安に苛まれています。

何かを思いついた空一はさくらを外へ連れ出します。
海へ向かって大声で叫ぶ空一とさくら。
ストレス解消にいいらしい。

ついでにさくらは「このまえフラれた」といいます。
空一的にはどうなんでしょうか。


11.海辺で吃音のある小学生と出会うさくらと空一
これは今回の吃音あるあるですね。
脚本を考えてくれた人。フジテレビに感謝します。


海辺に1人で座っている小学生がいます。
実はこの小学生が吃音者でした。

空一は「あのな、これはな太っているとか痩せているとか同じで個性」とさくらのしゃべり方を説明します。しかしこの小学生が吃音者だとわかりました。一気に空一とさくらの表情が変わります。

吃音があるさくらが、吃音で悩む小学生に自分の人生を語ります。
「お  お おおねえちゃんも よく へへ変って笑われた
つ つ辛いよね すごい よくわかる
でで でもね よ よ よかったこともあるよ
ひ ひ ひ 人の優しさを知った」

小学生は
「そ そ そんなの う う ウソだよ み みんなイジワルだよ」

さくら
「わ わ 私も みんなイジワルだなと思っていた
で、でもね 歌に出会って世界が
せ せ 世界が が が がらっと変わったよ


小学生
「せ せ せ 世界が?」

さくら
「じ じ自分を好きになって ま ま 前よりも つ 強くなれた
こ 怖いもの がへったの す すごいでしょ
だ だ だから わ 私 いま幸せだよ
つ 強くなれば し 幸せになる
絶対に」

小学生
「絶対に??」

空一
「うん」

さくら
「だ だから つ 強くなりな」

さくらと小学生は指きりげんまんをします。


やはり、吃音のある子どもには、吃音のある大人がロールモデルを示さないとダメなのかもしれません。ただし、適切な相談援助がソーシャルワークができる人も間に入らないといけません。
日本国内の吃音者は派閥抗争をしているために「障害者認定反対派」、「吃音を隠そう派」、「吃音でも障害者手帳や公的な支援がほしい派」があるために。相談先を間違えると、その人の主義主張にそったアドバイスを無理やりされることもあります。「障害者枠で仕事がしたいから障害者手帳がほしい、その方法を知りたい」と相談した吃音者を無理やり諦めさせた「障害者認定反対派」が存在しています。悲しいことです。その人が自殺してしまったらどう責任をとるのでしょうか?


精神保健医療福祉従事者の介入がある状態、正常な偏りのないソーシャルワークが重要です。
今回、ドラマの監修をしている全国言友会連絡協議会は現在、ありとあらゆる吃音者の選択肢を見える化して、当事者や家族が選べるように情報提供をしています。

ラヴソングを視聴している人も、この佐野さくらと吃音小学生のシーンだけが、全ての吃音者の正解だとは思わないでください。これは1つの例です。



このあと、さくらは勇気がでたのか、客観的に判断できるようになったのか、病院での手術を承認します。増村も安心したようです。


12.さくらをちゃんと助けてくれと神代
病院のどこかで増村と神代が話しています。
神代はさくらの病気を必ず治してくれと伝えます。


一方さくらは単独ライブをやるぞーーーと大きな決断をしています。

その後シーンが変わり、シェリルの曲作りにイライラする神代が出てきます―。

13.最後になるかもしれないこと、悪性腫瘍のことを夏希に伝える
久しぶりに夏希のクリニックに訪れたさくら。
単独ライブをやることを夏希に伝えにきたようです。
夏希はこの前の、嫌な女、あの態度をさくらに謝罪します。

さくらは、ライブでこの前の曲、(春乃の曲)を歌っていいですか?
と許可が欲しかったようです。

そして、喉にガンができたことも夏希に伝えます。
だから最後の1回かもしれないから来てほしいとのことなんですね。


14.単独ライブをやるさくら 職場の人にも公開します
職場の同僚女性にも、滝川工場長にもチラシを渡して告知します。
怒るかと思いきや滝川工場長は「これ掲示板によく見えるように貼っておけ」と男性従業員に指示をします。(木下ほうかさんが優しい!!!)

もちろん神代にも「これが最後になるかもしれません来てください」と伝えます。
神代は「絶対に行く」といいますが。

15.さくらがライヴをやる当日
職場の人たちが来ています。
さくらは神代はいつくるのかな???って会場を見回します。
でも、シェリルとの面会をリスケできないため、さくらのライブを見送ることにします。

しかし、神代は弦巻に「絶対に佐野さんのこと上に通せよ」と強く念押ししてシェリルとの面会を選びます。

16.ライブのまえに吃音をカミングアウトするさくら
歌をうたうまえに会場の全員にむけて、吃音のカミングアウト。
吃音があるためにバレないようにしてきました。
会社の仲間にも迷惑をかけたと思います。
自分をみせる勇気を持てばよかったと振り返ります。

16.好きな人がいない会場でライブをするさくら
今回はライヴシーンは時間の都合上あまり流れませんでした…。

17.空一とさくらのキスシーン
歌い終わったあとに
空一が「のど大丈夫か」とはなしかけてきます。
空一は「やっぱ、お前のこと好きだわ。美人じゃねーし、性格悪いし、家事できないし、乱暴(略)」

さくらは「こ こ これかも ずっと 一緒にいるじゃん。も、もう喋れなくなるかもよ。」
空一「いつもうまくしゃべれてないじゃん」
ココがキスした夜ですね。

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