2014年8月30日土曜日

綾屋紗月さんがソーシャル・マジョリティ研究会セミナー2014 で配布している資料に吃音者やその支援者に足りないものが書いてある

東京大学先端科学技術研究センター特任研究員をしている綾屋紗月さんが
ソーシャル・マジョリティ研究会セミナー2014にて配布している資料にとても興味深い資料が1枚ある。

綾屋紗月さん
ソーシャルマジョリティ研究会セミナー2014



これがその配布資料である。
私が思うに吃音者は「すべての自分に関わる問題を自分自身と吃音者の仲間内で悩み解決しようとしているのではないか?」

と考えている。吃音者は今まで内向き体制だったわけです。
自分たちの世界だけで生き残る術を考えていた。そこについてこれない吃音者は人知れず消えていくわけです。大体今現在の吃音者で声が大きい人は、就職をしていて、結婚していて、子どもがいて、孫がいて、一応生活できている人が多いです。それができなかった吃音者は淘汰されているでしょう。当事者会に出席することができないのだと思います。俗にいうリア充と呼ばれる状態になっている吃音者と、独り身独身で高齢化した両親の年金に頼りながら生活している吃音者では価値観も違うでしょう。

そもそも吃音者には様々な派閥があります。吃音受容派、吃音改善派、吃音も社会福祉希望派、吃音は病気じゃない障害者でもない派などが入り乱れるカオス状態です。

とくに吃音は病気じゃない!!障害者じゃない!!特別な配慮はされたくない!!障害者はかわいそうな存在だ!!という考えに固執している派閥がノイジーマイノリティ?ノイジーマジョリティ?としてあります。


そして私はソーシャルマジョリティ研究会2014の配布資料でみた、この説明が、まさに今の吃音者・支援者・関係者に足りないものではないかと思ったのです。

画像に書いてあるように
【個人の問題と社会の問題の混同】
自分の問題と社会の問題とを切り分ける

これは吃音者にたりないことだと思います。

・私に起きた不幸は全部、吃音のせいだったんだ!
・自分に生じた社会問題のすべてを吃音のせいにしてしまう



そしてこれです。一番吃音者ができていないことです。
・社会の問題は社会に返す

吃音者の派閥は色々あります。
社会的支援を社会福祉を望む吃音者の派閥以外の人は、社会の問題は社会に返す ことを恥だと思っています。これは吃音があっても堂々と吃れという派閥の方も同様です。堂々と吃れと教えるくせに、「社会に向かって、助けてくれ!私達は困っている!」とは言わないわけです。堂々と吃るが社会福祉の世話にはならないというわけです。吃音者はどうしてもノイジーマジョリティの声が大きすぎて、落ちるところまで落ちてしまって困っている人が声をあげない現状がある。


さて、今後は綾屋紗月さんのソーシャルマジョリティ研究会セミナー2014で配布している資料のように「就労問題」「虐待問題」「結婚問題」「学歴問題」を、社会に返していかないといけません。俗にいう発達障害者の人が受けられる社会福祉を吃音者が同様に受けられるようにすること。これが最優先で行わないといけないところです。

そして吃音を持つお子さんがいる親御さんは、もっと吃音のことで声をあげるべきです。ことばときこえの教室、きこえとことばの教室には、発達障害の児童もいるはずです。その子どもの保護者の人と福祉情報の交換をして驚いたことがあるでしょう?発達障害の子どもは福祉が選べます。吃音の子どもは小学校で通級指導は終わってしまいます。それはオカシイ変だなと思いませんか?必要があれば中学校、高等学校、大学と合理的配慮が受けられる選択肢があるべきだと思いませんか?そして成人間際になって就職活動のときにも、吃音が社会的障壁ならば障害者手帳取得も選択肢としてあっていいと思います。

吃音者の皆さん、親御さん保護者の皆さん、支援者の皆さん。
時間はかかるかもしれませんが動きましょう。
自分たちの世代で経験した辛い経験や嫌なことを次世代の吃音者に経験させてはいけません。避けられるなら避けるように、選べるように。そんな世の中にしたほうがいいと思います。その際吃音者だけではなく、そのほかの障害をもつ社会的障壁がある人と協力していきましょう。

社会の問題は社会に返す!!


※2014年9月 ついに厚生労働省も動き出しましたよ。
厚生労働省の広報誌「厚生労働」2014年9月号に「吃音が発達障害であること」が具体的に明記されました。
http://stutteringperson.blogspot.jp/2014/11/20149.html

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