2015年12月7日月曜日

2015年12月6日 内閣府障害者週間連続セミナー 吃音者の人権と合理的配慮を考える 吃音ドクターこと菊池良和医師講演動画


2015年12月6日、中野コングレスクエアで開催された、内閣府障害者週間連続セミナー2015、吃音者の人権と合理的配慮を考える 菊池良和医師の講演会動画がYouTubeに掲載されました。
皆様ご覧ください。


菊池良和(九州大学病院耳鼻咽喉科医師、医学博士)さんの講演会はみなさんどうでしたでしょうか?私は歴史的な講演会だったと思います。12月5日JDDネットさんの講演会には負けますが、参加者は85名ほどでしょうか。

吃音の歴史や吃音の説明、吃音とのつきあい方・向かい合い方、吃音児童や保護者の映像、吃音は障害者手帳も取得できる、2005年からは吃音が発達障害者支援法に含まれている、どもる権利、などとても充実した内容でした。

日本国内は吃音者の対立が派閥抗争が激しく、言友会という組織はおよそ50年の歴史があるのですが、あまり外部に向けて活動してきていなかった結果が2015年12月6日までつながっているのかもしれません。特に北海道の吃音看護師は自殺しなくても選択肢があったはずでした。吃音以外の発達障害者団体や身体障害者団体は国会議員や行政職員と連携をし、法律を作ったり、自分たちのことを情報発信しています。言友会は歴史が長いのに外部とのパイプがないようです。

現在でも東京都と大阪・関西の一部で行われている、幼稚園生、保育園生、小学生、中学生、高校生とその保護者、大学生スタッフなどを集めて開催されている、「吃音者のつどい(東京言友会から除名処分?)」がありますが、そこでも、吃音は障害者ではない!!と教えています。確かに保護者や吃音当事者はとても耳に心地よい教えかもしれませんね。一時は気持ち良い教えかもしれない。

でも一方で、「吃音は障害者ではない!」と教えている張本人が、文部科学省の発行する雑誌では「吃音は障害者」と認めているのでとても滑稽です。特別支援教育53号という雑誌です。


今回の菊池医師の講演会ですが、私も参加して、吃音児童の映像を見て泣いてしまいました。
自分の記憶が鮮明にフラッシュバックしました。私自身がASDやADHDもあるので、記憶がとても鮮明に再生されました。会場内でもすすり泣く人が多数いましたね。これだけ吃音というものはとてもとても重い障害なのだと思います。吃音自体の軽度重度は関係ありません。言葉が正常に発話できない、発話しても他人から怪訝そうな顔、不思議な顔で見られる、笑われる、怒られるなどがあります。講演会に参加していた保護者の皆さんも藁をもつかむ思いで今回参加したのだと思います。


さて、吃音ドクターこと菊池良和医師が講談社から「吃音のことがよくわかる本」を発売しました。
その書籍カバーにはこう書かれています。
・吃音は言語障害の一種で、発達障害者支援法の対象とされている。
・発症の原因、7割は体質(遺伝)。育て方のせいじゃない。
・3年以上続く吃音は簡単にはなくならない。

そして書籍本体の26ページにはこのように書かれています。

話し方以外にも気になることがあるとき
・悩みの種は吃音だけとはかぎらない
吃音をもつ子どものなかには、話し方だけではなく行動や学習の面でも気がかりなことがあるという子どももいます。アメリカの調査ではありますが、吃音が見られる子どもの約半数は、LDやADHDなど、なんらかの問題ををかかえていると報告されています。
周囲の適切な対応が必要なのは、併存する疾患・障害があってもなくても同じです。早めに相談しましょう。

吃音のみ49%
吃音に併存51% 

LD学習障害 58%
ADHD注意欠陥多動性障害 43%
MR精神発達遅滞 15%
てんかん 13%
他の発達の遅れ 50%

◆吃音の子どもの51%は吃音以外に発達障害を併発しているかもしれない、その他の障害もあるかもしれないというのです。

実はこのブログの筆者である私も、広汎性発達障害、ADHD、計算のLDがあります。
成人してから判明したため人生はとてもとても難易度が高いものでした。何度も何度も死にたいと思いました。

吃音の子どもをもつ保護者、養育者のみなさん。
俗にいう発達障害であるASD、ADHD、LDのお子さんの中にも吃音児童は存在します。
しかしその子ども達は、吃音者の当事者会よりも先に発達障害者の当事者会や親の会に所属します。そこでは適切なアドバイスや早期発見・早期療育の大切さを知ることができます。障害というものに正面から向き合います。保護者同士の情報交換も活発です。

もしも、お子さんの吃音が判明した場合。発達障害者支援センターや病院医師や自治体障害福祉課などに、発達心理検査などのテストを受けることができないでしょうか?と聞いて調べて、発達心理検査などを受けることをおすすめします。早期発見できればできるほど、療育や対策ができます。大人になるまでに安心安全な環境で失敗しながら自己肯定感自己効力感を高めた状態で社会に出て行けるはずです。



しかし、間違えて、障害者認定反対派の小学生中学生高校生を集めて行う当事者会に所属してしまうと本当に悲惨な人生になってしまうかもしれません。それに吃音が発達障害や精神障害者手帳なんて嫌だ!という思考。それ自体が差別です。

※余談ですが、筆者が発達障害であることが判明してから、家族会議がありました。
最近は発達障害の書籍が充実しているの発達障害の実例が掲載されていることが多いのですが、筆者の親戚筋にチラホラ発達障害者ではないか?という人がいるのです。

その過程で判明したのですが、親戚にも、従兄弟にも従姉妹にも発達障害の疑いのある人がいるのです。とても頭脳明晰で旧帝国大学出身でそのまま国家公務員にまでなったのに、ついていけずに退職した人。いつになっても結婚できない女性。結婚できないのは他人とのコミュニケーションや距離感がつかめず社交的だったのに大人になってから閉じこもるようになった。女性なのに化粧を絶対しない人がいた。理由は肌の感覚が気持ち悪いからだとか。正月やお盆に大本家に行くと、引きこもっていたお兄さんがいた。入ってはいけない部屋があった。とても面白いおじちゃんやおばちゃんがいたがいつも他の親戚からヒドイ言葉をかけられていた。いじられキャラとかそういう次元を超越していた。吃音者も親戚にいることが判明したなど。

もしかしてなのですが、お子さんの吃音を診断された、お父さん・お母さんも自分自身の親戚筋の思い出や情報を調べたほうがいいかもしれません。吃音に限らず、ASDやADHDやLDも遺伝の可能性があります。もしくは、そもそも吃音児童のお父さんお母さん自身が社会で困らない程度の発達障害の可能性があるかもしれません。

発達障害の特性の1つに強いこだわりや執着や集中があります。
「自分の子どもは障害者じゃない!!」というお父さんお母さんの場合、そもそも、「障害者じゃない」と強くこだわってしまうそれそのものが発達障害なのかな?と思うことも。

発達障害のお子さんを診療する医師によると、子どもの発達障害を検査している過程で父親か母親も発達障害ではないか?という事例もあるとのことです。

余談ここまで。



大切なことはお子さんの吃音が判明した場合、発達検査・心理検査を受けましょう!!

これも吃音のリスクマネジメントです。
実は12月5日の内閣府障害者週間連続セミナーの発達障害の講演会も吃音児童の保護者・養育者に参加してほしかったと思います。言友会との空気の差を、親御さん達の気持ちの違いを肌で感じてほしかったと思います。





また、菊池良和医師の講演会にて、最後に進行役の人が話していましたが、吃音者の保護者や養育者は団結すべきです。日本政府や厚生労働省や文部科学省や内閣府などに情報発信すべきです。政治家も巻き込むべきだと思います。
だって菊池良和医師の講演会はごく限られた人しか参加できなかったのですよ。
本当は日本中に吃音の子どもを心配する保護者・養育者さんがいるはずなのに、全都道府県に最低1人の吃音ドクターがいないなんてオカシイではないですか?

2015年現在の保護者・養育者のみなさんが経験したことを次世代の未来のお父さんお母さん、生まれてくる命にまったく同じ苦労や心労や死にたい辛いという気持ちを経験させるのですか?

変えましょうよ!日本を!!

幸いにも現在、全国言友会連絡協議会は政治家との接触やJDDネットとの接触をしているようなので今後変わるかもしれませんね。現在のところ、東京言友会と千葉言友会が社会的支援推進実行委員が多数在籍しているそうなので、吃音児童のお父さんお母さんは一度相談してみたらどうでしょうか?




◆参考情報

【必読】はじめて吃音を知った人へ。吃音と関わる上で絶対に知っておくべきこと。大切な吃音ガイドライン。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

2013年、北海道で吃音看護師が自殺した。だが、本当は自殺を避けられたのである。
http://kitsuonkenkyuguideline.blogspot.jp/2015/11/2013.html

NPO法人全国言友会連絡協議会の中高校生吃音のつどい代表の佐藤隆治氏は吃音は障害者であると認めている。文部科学省季刊「特別支援教育」53号にみる、吃音の障害者としての位置づけ
http://stutteringperson.blogspot.jp/2014/08/53.html

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